がんは「遺伝だけ」で決まるものではありません

「親ががんだったので、自分もがんになりますか?」 このような不安を持つ方は少なくありません。 しかし、がんの多くは遺伝だけで決まるものではありません。
加齢・喫煙・飲酒・食生活・運動不足・感染症・環境要因など、さまざまな要因が重なって発症します。 一方で、一部のがんでは、親から受け継いだ遺伝子の変化によって、 がんになりやすい体質が関係することがあります。 これを「遺伝性腫瘍」と呼びます。
家族歴や不安な点を整理し、 遺伝カウンセリングや検診の考え方を わかりやすくご案内します。
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エビデンス①
遺伝が関係するがんは全体の一部です

米国国立がん研究所では、すべてのがんのうち、 親から受け継いだ有害な遺伝子変化が原因と考えられるものは、 約5〜10%と説明しています。
つまり、多くのがんは「遺伝だけ」ではなく、 生活習慣や環境、年齢による細胞の変化などが関係します。 ポイント 家族にがんがいるからといって、必ず遺伝性がんとは限りません。 ただし、家族歴の確認はとても大切です。
エビデンス②
家族に同じがんが多い場合は注意が必要です

国立がん研究センターは、遺伝性腫瘍について、 生まれながらにがんを発症しやすい体質を持っている状態と説明しています。 ただし、「家族にがんが多い」=「必ず遺伝性腫瘍」ではありません。
同じ生活習慣・同じ食生活・喫煙環境・感染症・偶然などでも、 家族内にがんが多く見えることがあります。
遺伝性がんを疑うサイン

次のような場合は、遺伝性腫瘍の可能性について、 医師や遺伝カウンセリングで相談することがあります。
若い年齢でがんになった・同じ種類のがんが家系に多い・乳がんと卵巣がんが家系にある・大腸がんや子宮体がんが家系に多い・左右両側の乳がん・複数のがんを経験している・男性乳がんが家族にいる・親・兄弟・子どもに同じがんが複数いる
エビデンス③

BRCA1・BRCA2と乳がん・卵巣がん
BRCA1、BRCA2という遺伝子に病的変化がある場合、 乳がんや卵巣がんのリスクが高くなることが知られています。 CDCでは、乳がんや卵巣がんの家族歴がある場合、 通常よりリスクが高い可能性があり、 医師に家族歴を伝えることが重要と説明しています。 関連しやすいがん・乳がん・卵巣がん・前立腺がん・膵臓がん・男性乳がん
乳がん・卵巣がん・子宮体がんなど、 女性に多いがんと家族歴の関係を確認できます
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エビデンス④
リンチ症候群と大腸がん・子宮体がん

リンチ症候群は、遺伝性大腸がんの代表的な原因の一つです。
CDCでは、リンチ症候群の方は、 大腸がん、子宮体がん、卵巣がん、胃がん、尿路系がん、膵臓がん、前立腺がんなどのリスクが高くなると説明しています。
特に、50歳未満の家族に大腸がんが多い 家族に子宮体がんが多いという場合は、 一度確認が必要です。
遺伝子検査を受ければすべて分かるの?

遺伝子検査は、がんになりやすい体質 を調べる大切な手段の一つです。
ただし、注意点もあります。検査で分かる遺伝子には限りがある 陰性でもがんにならないとは言えない。陽性でも必ずがんになるわけではない
結果が家族にも関係する場合がある・心理的な負担がある そのため、遺伝子検査は、自己判断で受けるよりも、 医師や遺伝カウンセリングで相談してから検討することが大切です。
遺伝カウンセリングとは?
遺伝カウンセリングは、本当に遺伝性がんの可能性があるのか 検査を受ける意味があるのか・検査結果をどう受け止めるか 家族にどう伝えるか・今後どんな検診を受けるか を専門家と一緒に整理する場です。 国立がん研究センターも、遺伝性腫瘍が疑われる場合には、 遺伝カウンセリングでリスクや選択肢を一緒に考えることを説明しています。
家族歴で確認したいこと
相談前に、分かる範囲で 次のことを整理しておくと役立ちます。 誰ががんになったか・何歳で診断されたか・がんの種類・片側か両側か 複数のがんがあったか・亡くなった年齢・親・兄弟・子ども・祖父母・おじ・おば・いとこまで分かる範囲 完璧でなくても大丈夫です。 分かる範囲で整理することが第一歩です。
遺伝リスクがある場合にできること
遺伝性がんの可能性がある場合でも、 何もできないわけではありません。

早めの検診・検査間隔の見直し・MRIや内視鏡など精密検査の検討 生活習慣の見直し・専門医への相談 遺伝カウンセリングなど、 リスクに応じた対策を考えることができます。
年齢、性別、家族歴、喫煙歴、飲酒習慣などをもとに、 CT・MRI・内視鏡などの検査選びを整理します。
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遺伝とがんのまとめ
がんの多くは、遺伝だけで決まるものではありません。 しかし、一部のがんでは、 親から受け継いだ遺伝子の変化が関係することがあります。

大切なのは、家族歴を知ること不安を放置しないこと。 必要に応じて専門家に相談すること。 自分に合った検診を考えることです。 「遺伝だから仕方ない」とあきらめるのではなく、 リスクを知ることで、早期発見や予防につなげることができます。
遺伝とがん・家族歴のご相談
家族にがんが多い・若い年齢でがんになった家族がいる 乳がん・卵巣がん・大腸がん・子宮体がんが家系にある。 遺伝子検査を受けるべきか迷っている。どの検診を受ければよいか分からない。
そんな方はお気軽にご相談ください。 当相談室では、医療行為や診断ではなく、 家族歴や検査選びを整理するための情報提供を行っています。