
【体を動かすことは、がん予防の大切な柱です】
がん予防というと、食事や禁煙を思い浮かべる方が多いかもしれません。 しかし、実は 「運動不足」も、がんリスクに関係する重要な生活習慣 です。
世界がん研究基金(WCRF)では、 身体活動には以下のがんリスクを下げる強いエビデンスがあるとしています。 ★ 大腸がん(特に結腸がん) ★閉経後乳がん ★子宮体がん
また、日本人を対象にした研究でも、 身体活動によって、★大腸がん、とくに結腸がんのリスクが下がることは 「ほぼ確実」と評価されています。
【一目でわかるエビデンス】
【運動量が多い人は、がんリスクが低い】

さらに、歩数でも差が見られました。

つまり、激しい運動でなくても、毎日の歩数を増やすこと が、 がん予防につながる可能性があります。
【どのくらい運動すればよい?】

WHOやNCIでは、成人に対して以下の運動量を推奨しています。 中等度の有酸素運動を週150〜300分行うことが推奨されています。
★ 分かりやすく言えば、1日30分の早歩きを週5日です。
【中等度の運動とは?】
中等度の運動とは、少し息が弾むけれど、会話はできる程度の運動です。

【筋トレも週2回が目安】
有酸素運動に加えて、週2回以上の筋力トレーニングも推奨されています。 筋肉を維持することは、
体づくり ★血糖値の安定 ★転倒予防 ★フレイル予防 ★免疫力の維持にもつながります。

【運動でリスク低下が期待される主ながん】
① 大腸がん

身体活動は、大腸がん、 とくに結腸がんのリスクを下げることが強く示されています。 運動により腸の動きが促され、便が腸内にとどまる時間が短くなることで、 発がん物質への接触時間が減る可能性があります。
② 乳がん

身体活動は、閉経後乳がんのリスク低下と関連するとされています。 運動により、★体脂肪の減少 ★女性ホルモンへの影響 ★インスリン抵抗性の改善などが期待されます。
③ 子宮体がん

運動不足や肥満は、子宮体がんリスクと関係します。 身体を動かし、適正体重を維持することは、子宮体がん予防にも重要です。
【なぜ運動が、がん予防につながるのか?】
運動には、がんリスクを下げると考えられる、複数の働きがあります。
① 体脂肪を減らす
肥満は多くのがんリスクと関係しています。 運動は体脂肪を減らし、肥満関連がんのリスク低下に役立ちます。
② インスリンを安定させる
運動不足や肥満では、血糖値やインスリンが高くなりやすくなります。 高インスリン状態は、細胞増殖に関係し、 がんリスクと関連すると考えられています。
③ 慢性炎症を抑える
体脂肪が多い状態では、体の中で慢性的な炎症が起こりやすくなります。 運動は炎症を抑える方向に働き、 がんが発生しにくい体内環境づくりに役立ちます。
④ 腸の動きを良くする
運動により腸の動きが活発になり、便通の改善が期待できます。 特に大腸がん予防では、腸内環境を整えることが重要です。
⑤ 免疫機能を整える
適度な運動は、免疫機能を整えることにもつながります。 ただし、過度な運動は疲労や免疫低下につながることもあるため、 無理なく継続することが大切です。
【今日からできる運動習慣】
まずは、特別な運動を始めるよりも、今より少し多く動くことから始めましょう。
すぐできる工夫 ★エレベーターより階段を使う ★1駅分歩く ★近所の買い物は歩いて行く ★食後に10分歩く★座りっぱなしを避け、1時間に1回立つ ★テレビを見ながら足踏みする ★朝に軽い体操をする ★週2回、軽い筋トレする
【目標は「1日30分」または「9,000歩」】
最初から完璧を目指す必要はありません。 まずは、1日30分の早歩きまたは1日7,000〜9,000歩を目標にしましょう。 歩数はスマートフォンでも確認できます。 大切なのは、運動の強さよりも、毎日続けることです。
【運動が苦手な方へ】
運動が苦手な方は、10分を3回でも構いません。 たとえば、・朝10分 ・昼10分 ・夕方10分でも、 合計すれば30分です。 「まとまった時間がないから無理」と考えず、 細切れでも体を動かすことが大切です。
【注意が必要な方】
以下の方は、無理をせず、医師に相談しながら始めてください。 ★心臓病がある方 ★強い息切れや胸痛がある方 ★膝・腰に強い痛みがある方★治療中の病気がある方 ★がん治療中・治療後の方 運動は大切ですが、体調に合わせることが最優先です。
【まとめ】
がん予防のための運動は、特別なことではありません。 大切なのは、座りっぱなしを減らし、毎日少しずつ体を動かすことです。 週150分の運動、1日30分の早歩き、7,000〜9,000歩を目標に、 できることから始めましょう。
【がん相談室より】
「どの検査を受ければよいか」「家族歴があるので心配」「生活習慣を見直したい」「運動・食事・検診をどう組み合わせればよいか」 そんな疑問がありましたら、お気軽にご相談ください。 がん予防は、毎日の小さな習慣から始まります。